化石の森国立公園の珪化木 |
およそ2億2,500万年前、このあたり一帯は森林に覆われ、多くの木々が茂り大きな川が流れる豊かな地域であったと推測されてます。
川の上流の山岳地帯には火山があり、大量の火山灰土が堆積していました。
頻繁に起こる嵐で倒れた木々が洪水により下流にあたるこの場所に運ばれ、火山灰を含む泥土や土砂に埋もれていきます。
このような現象が繰り返され、押し流された木々と土砂が数百メートルの深さに堆積していきました。
一般的に埋もれた木々はこの段階で腐敗してしまいます。しかしながら泥土が完全に空気を遮断してしまったため、酸化現象や腐敗から守られました。
そしてこの泥の中に含まれる火山灰中のケイ素と水との化合物〜ケイ酸が木の中に浸透、木の細胞と化学反応を起こしてゆっくりと結晶となっていきます。木は徐々に二酸化ケイ素つまりシリカ(Silica)という物質に変化し珪化木 (けいかぼく) となったのです。
このシリカは二酸化シリコン (Silicon Dioxide) とも呼ばれています。
その後、地殻の変動や浸食が繰り返され、化石となった木々が地表に現れたのが「化石の森国立公園」の風景です。
クリスタル・フォーレスト |
多くの丸太は輪切り状になっています。
地殻変動の際の圧力により石化した木にひびが入り、そこから割れていきました。
切り口に見られる石化物質の色の違いは、珪化木になった後にさらなる水との化学反応で様々な石に姿を変えたもの。
地下水に含まれる成分の違いにより様々な「宝石」に姿を変えたものも見られます。
メノウ/オニキス/アメジストなどが断面に輝く丸太が転がっているのです。
1906年に国定公園に指定されたにも関わらず、20世紀初頭には大量の珪化木がここから持ち去られてしまいました。
公園内にはダイナマイトで爆破採集した跡も残っています。
1962年に国立公園に昇格してからは出入り口でのチェックはもちろんのこと、園内での監視体制が強化されており、珪化木のかけらを採集すると$400ほどの罰金を課せられますので要注意。(盗難を防ぐため、夜間は鉄のゲートが閉まり入園禁止になります)
クリスタル・フォーレスト(Crystal Forest) には約1.2kmのトレイルがあり、見渡す限り珪化木の丸太が転がっています。
ブルーメサの地層 |
出土する爬虫類の化石から恐竜への進化の秘密を探ろうという調査研究だそうです。