12/29/2013

セドナ (Sedona)

10年程前から5年間、毎年定期的に足を運んでいたセドナ (Sedona) を久々に訪れる事になりました。
セドナといえば今や誰もが知っているパワースポット、多くの有名人や芸能人がヒーリング (癒し) を求めてやってくるので、一躍その名が世界中に知れわたりました。
実は数千年前から先住民族ネイティブ・アメリカン達が「大地のエネルギーが湧き出る」神聖な場所としてこの地を崇拝していたというのは皆様ご存知の通りです。
ベルロック

さてセドナというこの街の名前、古代先住民の神話に登場する女神の名前とする説もありますが本当のところはというと・・・
1900年代初頭、西部開拓者としてミズーリー州からこの地にやってきたカール・シュネブリー (Carl Shnebly) 夫妻の奥様の名前がセドナ (Sedona Shnebly) でした。
当時すでに交通の要所となっていたフラッグスタッフ(Flagstaff) とジェローム (Jerome) の間は馬車で二日の距離、その中間点にあった彼らの入植地は旅人達の一夜の休息地点でした。
さっそく夫妻は宿屋を始めます。お客に振る舞われる美味しいセドナの手料理と回りの素晴らしい景色が評判となり、長期にわたり滞在する人々も増えていき町もどんどんと大きくなっていきました。
やがて夫妻はマーケットや運送会社も経営するようになり、町の名士になっていきます。
ある日、町の初代郵便局長に選ばれたカールは、郵便局の名称 (すなわち町の正式な名前)を決めなければならなくなりました。それまで何となく使われていたその地の名称と自分の名字をくっつけて「Oak Creek Crossing & Shnebly Station」としようと政府の郵政局に申請しましたが、あえなく却下・・・長すぎるという訳です。
するとカールの兄・エルスワース(Elsworth) が一言「じゃ、セドナでいこうぜ!彼女は今や町の顔だ!それに短くて憶えやすい。」と提案、郵政局にもめでたく認可され、郵便局の名称がセドナ (Sedona)となったのです。
以来人々はこの町をセドナと呼ぶようになります。セドナ25歳のことでした。
キャセドラルロック

近年のヒーリング・ブームで急速に人気の高まったセドナのアップタウ(Uptown)、昔の素朴さが影を潜め観光名所化しているのはいささか残念です。
主要幹線道は美しく整備され、車や観光バスであふれています。
しかしながら、自然環境保護のためのアクセス制限や車両規制が厳格に守られており、近代化と大自然が絶妙なバランスで共存しているところが面白いですね。
今回は手軽に行けるVortex (ボルテックス) をいくつかご紹介します。
まずBell Rock (ベルロック・写真) はアップタウンから南へ20分程下った所にあります。
岩山の南側に大型バスも停車できる駐車場がありそこからトレイルも始まっています。
そしてCathedral Rock (キャセドラルロック・写真) ですが、ここは大型バスでのアクセスが難しい所。Red Rock State Park (レッドロック州立公園) 、もしくはそこに隣接するRed Rock Crossing (レッドロック・クロッシング)から徒歩でアプローチしなくてはなりません。ともに入園料金が必要で、駐車場からトレイルを歩くことになります。
このRed Rock Crossingからはあのアイコン的な岩山の形を写真に収めることができます。

サンダー・マウンテン/エアポートメサからの眺め

Airport Mesa (エアポートメサ) はセドナ空港のある小高い丘。大型バスの場合は空港の横に大きな駐車場があり、トレイルをちょっと歩くとメディテーション等に適した小山もあります。ここから前方に見える岩山がThunder Mountain (サンダーマウンテン・写真)。
このサンダーマウンテンは、ディズニーランドにある「ビッグ・サンダーマウンテン」のモデルになった山と言われています。
これらのVortex (ボルテックス) の効果や現象に関し 、世界中の学者達が様々な調査を行っています。地下深くに大きな断層があることまでは確認されていますが、「癒しの効能」との科学的な関連性は今のところ見つかっていません。摩訶不思議。